葬儀は葬儀式場で行う時代に
公営斎場での葬儀を考える
社会の変化によって変わりゆく葬儀 “葬儀というのはその社会的な背景によって形を変えていきます。もともと葬儀というものには定型の形がありません。同じ時代であっても地域や風習によって葬儀の形式は異なります。また同じ地域であっても時代によって葬儀の形式は異なるのです。
戦後、高度経済成長が進む中、人口の流動が活発になっていきました。また、テレビなどのメディアの登場によって画一的な情報が全国で得られるようになりました。それらの要因によって、風習や習慣の地域差というのはどんどんとなくなっていっているのです。
また、インターネットやスマートフォンの普及によって情報の即時性が高まっています。
減少する葬儀の平均参列者数
現在では葬儀は縮小傾向にあります。ある調査では、葬儀の平均参列者の減少が記録されています。1995年には180人ほどだった平均参列者は、2005年には100人を切り、2015年には50人を下回っています。今から5年近く前に全国の葬儀業者に対して行われた公正取引委員会の調査では、「2010年頃と比較すると参列者が減少している」と答えた葬儀業者は調査を行った対象のうちの8割以上にのぼっています。
平均参列者数が減少している裏側には
現在の葬儀の形式を見てみると関東圏では家族葬の割合が増加しています。ある調査では全体の6割が家族葬の形式で行われているそうです。従来の葬儀では、訃報などを町内に回したり、新聞の訃報欄に掲示したりしていました。亡くなったという事実を広く知らせ、故人に関連があった人ならだれでも葬儀に来てもらう、というスタイルが一般的だったのです。
しかし現在では亡くなったことを初七日の法要が終わったあとに連絡することもあります。すぐに連絡が着くごく親しい友人や遺族、親戚だけで葬儀を行うというのが主流になっているのです。そうした遺族だけで行う、一般の弔問客を伴わない葬儀のことを家族葬と呼んでいます。
葬儀の場所も自宅から葬儀式場に
葬儀を行うにあたっての場所も大きく変化しています。以前は自宅や公民館、地域の自治体の集会所や檀那寺などで葬儀を行ことがほとんどでした。しかし、現在はおおよそ全体の5分の4の葬儀は葬儀式場で行われています。
そうした背景の中で、自治体が提供する葬儀式場も多く作られています。葬儀を行う場所が葬儀式場であることが当たり前になった以上、住民が利用できる葬儀式場が必要であると自治体が判断したのです。そうした斎場を公営斎場と呼びます。
公営斎場は公的な施設であるため、その利用料金やサービス内容が公的なものになっています。そのため、民間の斎場を利用するよりも、その価格と内容に安心感が持てるようになっています。
埼玉県南東部地域、越谷市、吉川市、松伏町は越谷市斎場の関連地域となっています。そのため、同二市一町の住民であれば越谷市斎場の葬儀式場を利用することができます。