公的な葬儀施設、公営斎場を利用する

公的な施設と民間の施設、費用とサービスの内容は

公的な施設というものに対してどのようなイメージを持っているでしょうか。市民体育館と民間のスポーツ施設を比較した場合、市民体育館は料金が安く利用しやすいイメージがあるでしょう。毎回の利用料金を支払うことによって利用することができます。中には住民でないと利用できない施設もあるかもしれません。

民間の施設というのは費用が高いが細かいサービスがある

一方、民間のスポーツ施設の場合、会員登録をしてその会費を支払うことによってだれでも利用することができます。毎回の費用というよりは習い事のように入会金と月別の会費が必要になる形式です。一般的に公営の体育館よりも費用が高くなりがちであるため、公営の体育館よりも設備が整っていたり、また駐車場や交通の面で優れていたりなど利用者が利用しやすい環境となっています。
公共の施設と民間の施設の関係は上記のようになっていることが多くあります。また民間では対応できないことや業務内容に公的な内容を含む施設については公的な組織によって対応していることが多く見受けられます。

一般的に火葬場は公営のものを利用することがほとんど

葬儀に関する施設の場合、火葬を行うための火葬施設に関しては公営の施設が、葬儀を行う式場に関しては民間の施設が利用されることが多く見受けられます。この背景としてはそれぞれの施設の成立が関係しています。
現代のような火葬施設が成立したのは明治時代以降のことです。江戸時代には都市部を中心に火葬が行われていました。明治期以降人口が増加しつつあるなか少しずつ現在のように火葬を専門で行う施設が作られていきました。火葬施設の建設は官民問わずに作られていきました。そうした施設は周辺環境などへの影響などもあり、少しずつ統廃合されていきました。一般的には公的な火葬場に統合されていき、経年劣化で建て直す時期などにどんどんと民間の火葬場は減少していきました。東京都などの特別な事情のある地域の場合には反対に民間の火葬場に統合された地域もあります。また、部落などの交通が不便な地域の場合にはそのまま民間の火葬場が残っているケースも多くあります。しかし、日本全体の流れとして火葬場は公営のものが多くなっていきました。

葬儀式場は民営のものがほとんど

一方で葬儀式場というのは戦後に民間の葬儀業者などが建設した施設によって始まりました。それまでは葬儀は自宅や地域の集会所で行うのが主流でしたが、集合住宅の増加などにより葬儀式場が少しずつ利用されるようになりました。現在では約80パーセントの葬儀が葬儀専門の式場で行われています。
現在のように葬儀式場が一般に普及しているのは葬儀業者が多くの葬儀式場を作りそこで葬儀を行うことが当たり前のことになったからということもあるでしょう。