家族が亡くなったときに急ぐこと、急いではいけないこと

亡くなったあとに慌てて葬儀の準備をするとトラブルが発生することも

葬儀を執り行うという経験は誰しもそんなに多くあるものではありません。人によっては人生で一度も喪主として葬儀を行うことがない人もいるでしょう。
周囲に葬儀を行ったことがある人がいなければそれだけ、葬儀に関して話を聞くことが少なくなります。十分な知識がないまま葬儀を執り行ってしまうと、葬儀がイメージしていたものとは違いこんなはずではなかったと後悔してしまうことになります。また、全てを葬儀業者にお任せした結果想定していたよりも遥かに高い費用がかかってしまい、請求書を見て驚くということもあり得ます。
とはいえ人が亡くなったという状況、できるだけ早く事を進めなければという焦りもあります。また、早く荼毘に付さなければという思いから、最初に連絡した業者に全てを任せてトラブルになる、ということもあるようです。
ここでは、どの場面は急ぐべきで、どの場面では慌ててはいけないのかということを説明していきます。

できるだけ速やかに行わないといけないのは、搬送と安置場所の手配

亡くなったあとにすぐ行わなければならないこととして、遺体の搬送、そして安置があります。特に遺体の搬送に関しては、病院や介護施設などで亡くなった場合、施設の人から3時間で遺体を搬出してくださいなどと言われることもあるため、非常に焦るのです。遺体の搬出は短くて3時間、長くても12時間以内には行わなければならないため、家族を失って打ちひしがれているなかでもきちんと手配をしなければならないのです。
また、搬出をするということは安置場所も確保しておかなければなりません。自宅で一時的に遺体の保管をすることができるならば自宅へ搬送すれば良いですが、集合住宅などで安置が難しい場合には先に安置場所を確保しておく必要があるのです。
遺体の搬送費用は10kmまでで10,000円から20,000円ほど、遺体の安置施設の利用や自宅で安置するには一日あたり10,000円ほどと考えておくといいでしょう。あまりに料金が高い場合には思い切って別の業者に連絡することも大切です。
急がなければならない場面ではありますが、慌てすぎて不当に高い料金でも了承してしまわないように気をつける必要があります。

葬儀の依頼は落ち着いてから手配すること

一旦、遺体を安置する手配ができたら、葬儀の手配を行わなければなりません。搬送や安置を行ってくれた業者に確認してみるのも良いですが、落ち着いて料金を確かめるようにしましょう。ここで注意してほしいのは遺体の搬送を行った業者で必ず葬儀を行わなければならないというわけではないということです。
折角運んでもらったからという思いや、遺体を安置してもらっているからという気持ちからそのまま葬儀までお願いしないといけないと思っている人も多いかもしれません。しかし、実際はそうしたルールはありません。またきちんと遺体を安置しているのであれば葬儀まで数日空いたからといって遺体が急速に傷むということもないのです。ここは急がず落ち着いてきちんと葬儀を取り仕切ってもらう業者を選別する必要があります。
少なくとも3社を比較し、サービス内容や価格帯、対応などをきちんと確認する必要があります。また、インターネットで調べたときなどに、価格の差がある場合には直接業者に連絡して料金を確認した方が良いでしょう。場合によっては葬儀を行う業者ではなく、その代理店が受注していることもあります。

時間に余裕がないとトラブルになりやすいため、きちんと吟味する必要がある

葬儀はご家族が亡くなってから速やかに行わなければならないものです。しかし、全てに急いでしまうと、費用の面やサービス内容の面で納得のいかない葬儀になってしまう可能性もあります。
急がなければならない部分は施設に迷惑が掛かってしまう可能性のある搬出と安置場所の決定の部分です。逆にきちんと吟味して決めたほうが良いのはお通夜や告別式を取り仕切る葬儀業者です。
最初に搬送を頼んだからなどと考えず、搬送は搬送、葬儀は葬儀と割り切って考えるというのも後悔しないで葬儀を行う一つの方法です。