お葬式はどこで行うもの?

以前は自宅や菩提寺で行うのが主流

もともと仏教式の葬儀は自宅で行われるものでした。亡くなったあと自宅に遺体を安置し、そのままお通夜そして葬儀を行っていました。葬儀を行ったあと、葬列という形で墓地もしくは火葬場に遺体を運ぶというのが江戸時代からの葬儀の形式でした。また、自宅ではなく、菩提寺でお通夜と葬儀を行う場合もありました。
葬儀をする場所といえば、自宅か菩提寺が当たり前だったのです。

葬儀を行う場所は自宅から葬儀式場へと変化

時代は流れ、現在では葬儀を行う場所は葬儀式場というのが当たり前になってきました。ある調査によれば現在行われている葬儀のうちおおよそ80パーセントが葬儀式場で行われているそうです。
葬儀式場以外で葬儀を行う場所が全て自宅か菩提寺だとしてもかつてほとんどの葬儀が行われていた場所が現在ではわずか20パーセントほどになっているのは非常に大きな変化でしょう。
その原因としては、家システムの変化や住宅環境の変化、社会的なつながりなどもあるでしょう。また、葬儀業者の努力もあるでしょう。弔問客として葬儀式場での葬儀を目にすると、実際自身が喪主や遺族として葬儀を行う際にも葬儀式場を利用することが多くなるでしょう。1980年頃から増加してきた葬儀式場は、現在の葬儀業界では欠かすことができないものとなっているのです。

需要の増加により公営の葬儀式場も増加傾向に

葬儀の模様の変化の結果、葬儀式場で葬儀を行うことが最も一般的になってくると、葬儀式場に関する公共のサービスも増加してきました。もともと自治体の提供するおくやみ関連のサービスというのは、火葬施設の利用のみでした。自治体によっては霊柩車などの搬送車両を貸し出すサービスを行っている自治体もあります。
現在では火葬施設を建設、もしくは改修する際に葬儀式場を増設することも多くなってきています。自治体がそのサービスを提供するようになるほど、葬儀式場は生活に欠かせないものになっているのです。

料金がはっきりとしていて、安定したサービスを受けられる公営斎場

公的施設というのは、決して最高級のサービスを提供する場ではありません。しかし、そのサービスというのは確実であり、また商業的ではないため過剰に高い費用がかかるということはありません。そのサービスは最も平均的であると考えられるものであり、過剰に華美である葬儀を望まない現在の消費者に最も則したものとなっているのです。
居住地を関連施設とする公営斎場があるのであれば、そうした公営の斎場を利用してみるのもひとつの方法ではないでしょうか。