葬儀式場併設の斎場はなぜ増加しているのか
そもそも斎場とは何か
公営斎場とは、自治体や自治体の関連組織などが運営する斎場です。斎場とは葬儀に関連する施設であり、火葬場のみの施設もしくは火葬場に葬儀式場が併設された施設になっています。
「火葬場」という名称が用いられていないのは、その言葉に暗い雰囲気があるからです。もともと神道での儀式の場という意味で用いられていた「斎場」という言葉が「火葬場」という言葉の代わりに使われるようになりました。
現在では火葬場に併設して葬儀式場がある斎場も増えてきました。「斎場」というのは葬儀に関連する総合的な施設となっているのです。
式場併設の斎場が新設される理由
最近ではこうした公営斎場が新設されたり、改装されたりしています。葬儀式場は葬儀を行うための専用施設です。葬儀そのものは長年行われてきたものです。しかし公営斎場に葬儀式場が併設されるようになったのは比較的最近のことです。なぜ、最近になってこうした形式の斎場が増加しているのでしょうか。
その背景としては、葬儀が行われている場所が葬儀式場に変わってきていることがあります。
葬儀というのは、もともと自宅で行われていたものでした。しかし、集合住宅が増えていくにつれて葬儀を自宅で行うのが困難であるという状況になったのです。そのため、公民館やコミュニティセンター、地域の集会所などで葬儀を行うことが多くなっていきました。
やがて、地域の共同体などで葬儀を行うことが少なくなり、葬儀業者に葬儀を任せることが増加していくと葬儀を行う場所はそうした業者の所有している葬儀式場に移り変わっていったのです。
葬儀のほとんどは葬儀式場で行われている
現在では葬儀のおおよそ80パーセントが葬儀式場で行われています。葬儀式場での葬儀が一般的になっていき、その需要が増加したのです。もともと火葬場のみを設置している自治体ほとんどでしたが、大規模な自治体を中心に葬儀式場を併設した葬儀式場も建設されるようになりました。
運営は自治体もしくはその外郭団体が行う
越谷市斎場の場合は、周辺の自治体である吉川市と松伏町と共同で利用されています。越谷市斎場のように関連地域が複数の自治体に渡るような斎場のことを広域斎場と言います。広域斎場を運営する場合には、その自治体が直接管理運営するのではなく、民間業者に委託する形で運営する、また自治体が共同で作成した組織によって運営されています。関東にある他の広域公営斎場としては千葉県の馬込斎場があります。
越谷市斎場の場合はPFI方式で民間の企業の共同会社によって行われています。馬込斎場の場合には関連地域である船橋市、鎌ケ谷市、八千代市、習志野市の四市が共同で作った四市複合事務組合によって運営が行われています。